日本伝統文化のひとつ「茶会」は、京都において多数開催されていますが、ここでは抹茶を「ご自宅で気軽に楽しむ」ということを念頭に、手軽に美味しく召し上がっていただくための抹茶の点て方や楽しみ方をご紹介いたします。

専門的な作法や本格的な茶道具を揃えていなくても、抹茶を身近に感じていただき、暮らしに取り入れるきっかけになればと思います。

ご自宅で楽しむ抹茶のいただき方

まずは、ご自宅で気軽に楽しむ抹茶の点て方（たてかた）をご紹介いたします。専門的な茶道具がなくてもキッチンにあるもので代用できることや、美味しく味わうための点て方、季節に合わせた楽しみ方や抹茶そのもののアレンジレシピもご紹介して参ります。

ご自宅で抹茶をいただくときに必要なもの

ご自宅で抹茶を楽しむためには、まず、抹茶を用意しましょう。初めて抹茶を選ぶ場合は、お店の方の「おすすめ品」を選ぶと安心です。祇園辻利の店頭では20ｇの小さな缶や、オンラインショップでは使い切りの「スティック抹茶（3本入り500円）」をお勧めしています。

次に、抹茶碗です。専用の抹茶碗を用意すると、より本格的な雰囲気を楽しむことができますが、手元にない場合は、カフェオレボウルなどでも代用できます。

最後に、茶筅（ちゃせん）です。これは抹茶を点てるための竹製の道具で、抹茶特有の泡立ちを作り出します。

もしも茶筅をお持ちでない場合は、容量120mlなどの小さなボトルをシェイカー代わりにして溶かすこともできます。茶筅で点てるほど泡立ちませんが、より手軽に愉しむことができます。

これらのアイテムを揃えれば、自宅で本格的な抹茶を楽しむことができます。

ご自宅での抹茶の点て方

茶道には様々な流派があり点て方は流儀により異なります。ここでは、ご自宅で気軽に美味しい抹茶を点てるための手順をご紹介します。

１．抹茶、茶碗、茶筅を用意します。

２．茶碗にティースプーン1杯（約2g）の抹茶を入れます。約80℃のお湯を60〜70ml注ぎます。（抹茶の種類により適切なお湯の量は異なりますので、適宜ご確認ください。）

３．茶碗を抑えながら、茶筅をmの字を描くように、前後に動かし混ぜ合わせます。これにより、抹茶とお湯がよく混ざり、きめ細かい泡が立ちます。

４．きめ細かい泡がたったら茶筅をゆっくり引き上げます。これで、美味しい抹茶が完成です。

ひと手間ではありますが、抹茶は茶こしでふるっておくと、ダマにならずにきめ細かく泡立ちます。また、点てる前に茶碗にお湯を入れて、茶筅を少し浸すと、茶碗を温めることと茶筅を柔らかくすることと穂先が折れていないか点検することができます。この場合は、抹茶を入れる前に茶碗の水分をしっかり拭いてください。

これで、自宅でも本格的な抹茶を楽しむことができます。お茶の高い栄養価をそのまま身体に取り込むことができる抹茶を、暮らしに取り入れてみてください。

お菓子と一緒にいただく

抹茶にお菓子はセットのようなもの。一緒にお菓子を楽しむときのポイントをご案内いたします。

召し上がる際には、お菓子をいただいてから抹茶をいただくのが基本です。これにより、お菓子の甘さと抹茶の苦みが絶妙に絡み合い、一層味わいの深さを感じることができます。

抹茶をいただく際に、「茶碗を回す」ことをご存知の方がおられると思います。これは、茶碗の正面を避けて飲むために、右手で茶碗を時計回りに2回回すという、茶道の作法のひとつです。

流儀ごとの基本の作法はあるものの、ご自宅での召し上がり方は自由です。ご自身の好きなタイミングで、お菓子と抹茶をお愉しみください。

 

抹茶のアレンジ

最初は、抹茶を基本の分量で点てて、召し上がっていただきたいと思いますが、アレンジして楽しむ抹茶の使い方をご案内いたします。

まずは、「抹茶ヨーグルト」です。あまり見かけないメニューかもしれませんが、手軽にできて絶品ですのでぜひお試しください。作り方は、ヨーグルトに抹茶粉を振りかけるだけ。お好みで、蜂蜜を入れるとコクと甘味が増してさらにおいしく仕上がります。抹茶の苦味・渋みとヨーグルトの酸味の組み合わせは、ベストマッチです。

次に、抹茶塩。天ぷらやお蕎麦をいただくときのお供に、ぜひお使いください。作り方は、塩と抹茶を１：１の割合で混ぜ合わせるだけのシンプルなレシピなのですが、抹茶の風味がプラスされ、天ぷらやお蕎麦が一層香り高いものになります。特に、天ぷらとの相性はとても良く普段と少し違う食卓をお愉しみいただけること間違いなし。ぜひお試しください。

 

京都・祇園に本店を構える祇園辻利は、創業1860年の宇治茶専門店。茶葉には色々な味わいがあり、抹茶には色々な愉しみ方があります。京都・祇園の風情とともに、本当に美味しい宇治茶を味わっていただくことが私たちの喜びです。店舗やオンラインショップへのご来店をお待ちしております。