「抹茶」その製茶工程や保存方法についてご紹介いたします
日本国内はもとより、いまや海外でもブームとなっている「抹茶」。改めて「抹茶とはどんなお茶?」と聞かれると、意外に知らなかったこともあるかもしれません。ここでは、抹茶の製造工程や保存方法についてご紹介します。
抹茶が、どのように作られてその独特の風味と風格が生まれるのか。また、抹茶の品質を保つための保存方法についてご紹介して参りますので、抹茶の深く豊かな風味を最大限に味わっていただくために、是非ご参考いただければと思います。
この記事を通じて、抹茶の魅力をより深く知っていただき、おひとりでも多くの方々に、抹茶のある暮らしを始めていただけることを願っています。
抹茶とは ー抹茶ができるまでー
本格的な抹茶ができるまでには、長い工程と手間ひまを要します。まずは、茶摘みから茶葉が製茶されてお客様のお手元に届くまでを、ご紹介いたします。
手摘みから石臼挽きされるまでの製茶工程
抹茶ができるまでの過程では、手間と時間を要する工程が続きます。茶葉はとても繊細な植物。抹茶の原料となる新芽を摘採する時期は、毎年の天候の差で大きく左右されます。経験豊富な茶農家の方々はこの見極めに神経を研ぎ澄ませます。
そして、摘採の時から逆算し、茶畑全体を覆いで約20日間ほど囲う時期がやってきます。覆いによって日光が遮られた新芽は、僅かな光の中でその旨味を蓄えます。
茶農家や加工工場の職人たちは、摘み取られたばかりの茶葉を慌ただしく工場へ運び入れます。摘採した茶葉は鮮度が命。
生茶を高温の蒸気で蒸すのは、発酵酵素の活性を止めるため。葉の状態(種類・厚さ・大きさ)により蒸す時間・温度を、職人の熟練の技で巧みに操ります。蒸した茶葉を風力で冷却し、冷やした茶葉を風で飛ばしながら葉を広げ炉に入れて乾燥させ、水分を減らします。
乾燥した茶葉は、風の力を利用した唐箕という機会で選り分けられ、茎や葉脈が取り除かれます。茎葉脈を取り除いた茶葉を再度乾燥させ、水分を完全に除去します。こうして、蒸し、冷却、乾燥、選り分けと、茶葉は息継ぐ間もなく加工されていき、石臼で挽く前の「碾茶(てんちゃ)」が完成するのです。
碾茶(てんちゃ)を、石臼を使って細かく挽いた粉が「抹茶」です。抹茶は石臼を使い、ゆっくりじっくりと挽かれることで、美しい濃緑色の輝きと薫香を放ち始めます。
今のこの効率を求める時代に、1時間でわずか40グラムの生産。色・泡立ちが良くお茶の風味と旨味を完璧に味わえる抹茶は、古来伝統の石臼挽きでないと、生み出すことはできません。
「ほんまもん」の宇治抹茶をぜひご堪能ください。
お客様のお手元へ
祇園辻利の抹茶は、各お家元から「茶銘」を賜り、商品名としております。御茶銘は、その茶の風味や茶席の景色を引き立てるもの、茶銘の歴史は古くは江戸中期から大名や武家から出入りの茶人に付け与えられたと言われています。
御茶銘も合わせて、感じられる風情とお茶をお愉しみください。
抹茶の保存方法
抹茶は、その粒子が非常に細かいことから、取り扱いが繊細な食品です。光と高温、湿度を最も嫌うため、品質を保つためには、高温多湿を避けてなるべく温度が一定の場所で保存することが適切です。また、抹茶はにおいが移りやすいため、密閉できる容器に保存することが重要です。
これらの注意点を守ることで、抹茶の鮮やかな緑色と豊かな味わいを長期間楽しむことができます。抹茶の保存方法を理解し、適切に保存することで、その深い風味と風格を最大限に引き出し、お愉しみください。
この記事では、抹茶の製造過程や保存方法についてご紹介しました。
いまや世界中から愛されるようになった「抹茶」について、より詳しく知っていただき、祇園辻利がご提供する「ほんまもん」の味わいを感じていただければと思います。